小さな宝石のような村が山の上に見える、古い時を宿したその石の塊に感動し2Bを走らせる。

50年前初めてヨーロッパを団体で旅した。その時スペインはコースに無かった。それから31年後、定年を機にあこがれのスペインを団体で回った。その後も何回かの旅をした。いろいろなことがあった。

 坂の途中に止めた車が、最後の人が降りたとたんにスルスル、タッタッーターと下って行ってしまう。ガードレールで止まった。

 対向車線を走っていてカーブを曲がった、いきなり目の前に車が!あわや正面衝突!

 レンタカーの冷房が分からず、窓開け砂埃で走っていた。

 有料駐車場に止めたはいいが、出ることが出来ず参った。

 イタリヤのフィレンツェで財布を、ミラノでカメラを盗まれた。

 駐車違反で罰金を納めに行った。

 成田離婚って本当にありだと痛感した。全くの他人同士が1週間でも一緒に過ごすのはうまく行かないのが当たり前。それを我慢しての1ヵ月は大変だった。一人旅が一番。

 そんな旅の中からスケッチを抜粋した。

イタリアの都市

アッシジ

 雨、寒い。

 イタリア中部のここは, 6月だと言うのに。30年ぶりの寒波。久しぶりに見る町は淡いピンク色に輝いて横たわっている。美しい。

 スケッチのため, 場所を探す。手前の木がじゃま。じゃまを避けていくとここしかない。でもここは私有地では? 。文句をいわれたっていい, 決める。とても1日では無理と翌日も描くことになる。

 夜はやることなし、TVも新聞もチンプンカンプン。男2人散歩に。選んだ道は城砦を囲む森のすぐ下の道。昼間のにぎわいはなく暗がりが続く。時々二人連れが寄り添っている。目のやり場に困ったその先に蛍の乱舞。日本でも目にすることのない蛍に、後述のウルビーノとビッボーナでも。

チビタ・ディ・バーニヨレツジョ

 この小さな塊は突然目の前に現れる。 感激。全く小さい。

 アッシジと違い。10分もあれば一回りしてしまう。よくぞ見捨てられずに残っているものだ。イタリア人の底力にバンザイ。(今はイタリア人の観光スポット、世界遺産・オルヴィエートからバスで40分) 。

 山岳都市の原点か。2日通う。天空のラピュタのモデルと聞いている。

モンティエリ「日本語で声を…」

 ヴォルテッラから南に10キロにモンティエリの村。そこで日本女性に声を掛けられびっくり。今日は村の祭りで、ご主人と共に、コインと切手の露店を出していた。小さな小さな広場へ向かう道端で。

「こちらに参りまして18年になります」と話す日本語は久しぶりに聞くきれいな言葉。我々が忘れていた、正しい敬語にたじたじする。

「私どもの家の近くにもこのような場所がありますので主人が案内したいと申しております」と。 結局、日本へ帰る前の3日問をビッボーナまで行き、お世話になった。

フィレンツェ

 フィレンツェのような大都会は来る前から期待はしていなかった。

 街の中を2階建ての観光バスで一回りしてみた。やはり描くところは、全くない。ここフィレンツェは、レンタカーの拠点でしかない。行き帰りと5日も宿をとったのは失敗, 2日でよい。このスケッチは帰りにフィレンツェに戻って、ベンツを返して余った時間どうしようと描いたもの。

 ここでスリに会うとは!?

 日本でいう武者行列を大勢の観光客に混じって見ていた。

 飽きたので、人混みのくびれた中を横切ろうとしたが、人垣で行けず、戻ろうとしても戻れず。やっとの思いで戻った。やられた。

 ウエストバックの口が開いてる。財布なし。でも幸いにパスポートは無事。これまでず一と田舎にいてすっかり「キケン」を忘れていた。

都会なんだ, 「すられた, すられた」の話を耳にして,「馬鹿みたい」といっていたけれど, その[馬鹿]になってしまった。

コール ディ バル エルサ

 フィレンツェからサン・ジミニャーノへの途中で一番のお気に入りの場所。

細身の刀のような尾根ずたいに密集している家屋と橋でつながる城と, とても緊張感のみなぎった街に息を呑む。

 ほとんどの人がここに寄らずにサン・ジミニャーノに行ってしまうので我々には助かる。

前頁のスケッチの軍艦のような一塊りはここでしかない。見つけた時そこから動けなかった。描いてくれと言っているようで。

グッビオ

ロープウェーがあったことをすっかり忘れていた。帰りの車の中からその看板が目に入った。

ウルビーノ

 旅行の楽しみは幾つもあるが、私達の一番の楽しみはその日に描いたスケッチを肴に一杯やること。だからスケッチからの帰り道には、必ずスーパーによってワインとビールとグラッパを買い込む。

ウルピーノの最後の晩、スーパーで買ったワインをザックに入れた

 まま、タイルの床にポンと置いた。

 ガシャンと鈍い音.ワインがジワジワとザックから白いタイルに流れ出す。あわてて瓶を出しザックを無意識にベッドに置いた. 床掃除が終わった時には、シーツはワイン色に染まっていた。

 その夜蛍が表れて、我々を慰めてくれた。

ビッボーナ

 コルシカ島を望む西海岸のここビッボーナは西日がまぶしい。 

 そしてこの夜も星空とホタルがキラキラと。

サッセッタ→ボルテッラ

翌日はマリオから教えてもらったポイントを精力的に走り回った。

以上